全日本規模のエンデューロレースで、コロナの影響を一番色濃く受けたのはG-NETではないだろうか。もともと全5戦の予定だったものの、第2戦HINO HARD ENDURO春の陣、第3戦HIDAKA ROCKS EXTREME ENDUROが立て続けに中止に追いやられ、10月18日にブラックバレー広島で開催された大会が、約半年ぶりの開催となる第2戦になった。さらに特殊な広島ルールにより、今年のランキングを大きく左右するレースとなった。

アヤトがNEWヘルメットで完勝!
チャンピオンは三つ巴の争いに……

開幕戦のCGC奈良トラでは優勝が高橋博(以下、ロッシ)、2位に水上泰佑、3位鈴木健二という順位だった。しかし、V6王者ロッシが林道ツーリング中の怪我により今シーズンの戦線を離れたことで、2020年のチャンピオンは水上と鈴木に絞られたかに思われた。しかし、当然それを黙って見ていられないのがCGCで5位に甘んじた山本礼人だ。

画像1: アヤトがNEWヘルメットで完勝! チャンピオンは三つ巴の争いに……

山本は今年2月に台湾で開催された亀山ハードエンデューロでも韓国や台湾の猛者を抑えアジアチャンピオンの座を獲得しており「得意なコースでは手が付けられない強さ」というのが個人的な印象。加えて今回の舞台となったブラックバレーは、通常フリー走行を行っておらず、とても良質なトレールが養生されていた。しかし柔らかい土の下に根っこや石が隠されており、レースが進行するとともに難易度が増していくパターンだ。

僕は初めてのコースで撮影する時は前日にライダーと一緒に下見をしてコースを歩き、撮影ポイントや難所をチェックしておくのだが、このブラックバレーはキャンバーが多く、落ちてしまっても登れるが、時間と体力をロスする設定になっていた。そして肌で感じたことが「SHINKOの540DCのためのコース」だということだった。この記事を読んでくれているOff1.jp読者諸君には言わずもがなだと思うが、ハードエンデューロにおいてタイヤの持つ役割はとてつもなく大きい。そしてそれはコースによって相性があり、必ずしもIRCのVE-33s GEKKOTAやDUNLOPのAX81EXといったタイヤが悪いというわけでなく、540DCがあまりにもマッチしすぎていたのだ。これはそれぞれのタイヤを一度でも使ったことのあるライダーなら、誰もが納得してしまうだろう。

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もちろんSHINKOタイヤのスポンサードを受けている山本は540DCをチョイス。その予測を証明してみせたのだった。

画像3: アヤトがNEWヘルメットで完勝! チャンピオンは三つ巴の争いに……

今回からニューヘルメットZEALOTのマッドジャンパー2 CARBONを装着。最初の難所「ヤミ金キャンバー」をトップで通過した山本は、終始トップを守りきり、ただ一人7周を周回。最終周に2位の鈴木健二すら追い抜く、いわゆる「全員ラップ」を成し遂げ完勝。

画像4: アヤトがNEWヘルメットで完勝! チャンピオンは三つ巴の争いに……

しかしそんな山本だが、実はマシンにトラブルを抱えていた。トップライダーが口を揃えて「一番難しかった」と言う「組合ヒル」の2周目で転倒した際にチャンバーの根元を切り株に強打し、凹ましてしまっていたのだ。「おかげで高回転がまったく吹けなくて、ヒルクライムはほとんど直登できませんでした。でもパワーが出ないおかげでキャンバーとかは落ちずに通過できたのかもしれないですね」と山本。

画像5: アヤトがNEWヘルメットで完勝! チャンピオンは三つ巴の争いに……

「今回から新しいヘルメットなんですよ。ペイントもSTANDARDさんにやってもらっていて、これ撮ってください!」とZEALOTのマッドジャンパー2 CARBONを嬉しそうに見せびらかす山本。「調子は良かったですね。2周目にチャンバーを凹ましてしまってエンジンが全然回らなくなっちゃったんです。まるでトレールバイクみたいな感じで。それで一回タイスケさんに追いつかれる場面もあったんですけど、抜かれてはいません。とにかくシンコーの540DCが良くて。このコースのために作られたタイヤなんじゃないかってくらいでした。ヘルメットもカーボンだから軽くてすごく楽ですし、視界の広さもハードエンデューロでは有利ですね。開幕戦で5位だったのですが、これでチャンピオン争いに加われました!」

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