あれは約3年前、2018年11月18日のことだった。群馬県日野カントリーオフロードランドで開催された日野ハードエンデューロ(G-NET2018最終戦)の、今ではもう使われていないG-NET最終セクション「Finish Hill」(現在の「ヤブ坂」の隣あたり)の頂上で、高橋博と山本礼人による壮絶なチャンピオン争いがあった。最後の坂を先に登った方がチャンピオンというシーンだ。結局、その戦いは高橋博が制し、2020年怪我により欠場するまで、高橋の黄金時代は続いた。
地元群馬の雄・大塚が快進撃!
一足先に「スーパーエンデュヒル」で待ち構えていた観客たちの耳に、現場のマーシャルのスタッフに入った無線がレース状況を報せた。「大塚選手、トップでBOC(バンク・オブ・チキン)ヒル通過」。ワイヤーマウンテンでリードを築いた大塚が、そのままBOCをトップでクリアしたのだ。BOCを過ぎればスーパーエンデュヒルまで難所はほぼない。
![画像1: 地元群馬の雄・大塚が快進撃!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2021/11/16/c285dd7cbb0864b121b89754a5745de11ef5051b_xlarge.jpg)
そして大塚はスーパーエンデュヒルをトップで一発登頂。ここもワイヤーマウンテンと同じ☆4セクションだったのだが、トップライダーにとってみれば、☆2くらいの感覚だったようだ。
![画像2: 地元群馬の雄・大塚が快進撃!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2021/11/16/32427cb90a69db2cd1a9c28d462aadb1cd23e8b5_xlarge.jpg)
2番手に山本。全く危なげなく、通過。
![画像3: 地元群馬の雄・大塚が快進撃!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2021/11/16/f175e7904f89581f6333fa83992580b6eb747387_xlarge.jpg)
3番手の鈴木は一発で登頂した後、集まっていた観客に派手なアクセルターンのパフォーマンスを披露したら、バイクを倒してしまい、さらに大きな歓声を浴びた。
![画像4: 地元群馬の雄・大塚が快進撃!](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2021/11/16/8e12cdc1e7d5bebbec5688c198e01f3186e2047d_xlarge.jpg)
続いて、高橋、水上の順でクリアしていった。
ここまではほぼ予想通りの展開であった。大塚は、G-NET黒ゼッケンではないものの、元トライアルIA(やはりIASのなかった時代、高橋と同世代)で、ここ2年ほど上位でよく名前を見るライダーで、これまでも前半でレースをリードするシーンはあった。
他の4人、山本、鈴木、高橋、水上は広島でも優勝を争ったメンバー。しかしこの後に待ち構えていた最難関セクション「エムスリー」でレースは大きく動くことになる。