レースにたらればは禁句だ。だが、いくらなんでも4戦もアンラッキーが続くのはいかがなものか。第4戦アナハイム2、下田丈はスタートを成功させ、その存在感をみせつけるも…
オープニングラップ、クレイグを抜きにいく爆発力
「タイムクオリファイは、今回はいいほうだったと思うんですよ」と下田は言う。4番手で、トップのクリスチャン・クレイグとくらべてもわずか0.5秒の差しかない。これなら勝負できる、と直感できる調子のよさだった。
ヒート1、スタートのタイミングこそよかったが、グリッドチョイスに失敗したか馬群に沈む展開。ファーストターンは、ほぼ最後尾でまわる苦しい立ち上がりだった。だが、ラップタイムはトップのモジマンを上回る2番時計をマークしており、4位まで浮上。2番手争いのジャレク・スウォル VS ヴィンス・フリージーまでは届かずといった結果に。
メインイベントのグリッドは、優先順位こそ低かったもののまずまずの出だし。イン側2番目から好スタートを切り、最インに潜り込んだ。3番手から、第2コーナーで若干手間どって4番手でオープニングラップ。フリージー、モジマン、クリスチャン・クレイグと強豪がならぶトップ争い。早くも下田は仕掛けにいき、クレイグをパス。3番手へ浮上し、インテンシティの高さを見せ付ける。このままあげていけば、トップも届くはず!
阻まれたポディウム。またも不運が襲う
2周目にはクレイグに躱されてしまうものの、トップのフリージーのペースはそこまで鋭くなく、モジマンとのバトルでトップ陣が膠着した状態だった。望むべき展開だった。下田も「1周目はよかったですね!」と振り返る。しかし、そのあとどうにも下田のダッシュが効かない状態に。下田は言う。「フープスが荒れていて、その攻略に手間取ったのが原因です。4周目には攻略できて再びペースを上げられたのですが」時すでに遅く、ハンター・ローレンスにパスされ5番手へ後退。
しかし、再びハンターを捉えた中盤から後半、問題は落ちてきたフリージーだった。残り1分40秒あたり、フリージー、ハンター、下田の三つどもえで3番手争いへ発展。激しくチャージするハンターに、残り2周の時点でフリージーは動揺したか、フープスでクラッシュ。フープスをスキミングで走る下田の目の前に出てきたのだった…。「ちゃんとみてもらうとわかると思うんですが、出来るかぎりのことはしています。少しスローになってます。でも、あんなのは避けられませんよ」と下田。フリージーに当たってしまい、その反動で下田も大きくクラッシュ。この衝撃で「セルがまわらなくなって、再始動が遅れてしまったんですよね」と。「ポディウムは見えていたから悔しいですね」と下田は言う。
不運ばかりに見舞われる今シーズン前半の下田。監督のミッチー・ペイトンからは「ライディングは悪くない。去年よりもよくなっている。課題があるとすれば、フープスか」というコメントが出ているとのことだが、「とはいっても、フープスで2秒遅いわけじゃない。だいたい、0.7秒くらい遅れるうような感じなんです。去年までは、ここまで攻めることができていなかったから、問題にはなっていなかったけど、今年はそうではない」と分析する。誰の目から見ても、ポディウムは固い。だが、運がついてこない。イーストがはじまるまで、あと2戦、どうにか調子をつかみなおしてほしいところだ。