経験がないほどの、ビッグジャンプ。飛ぶしかない
下田は、アトランタにおける自分のペースがそこまで速くないことを自覚していて、「前半、できるだけプッシュして、そのペースを保てればいいなと思ってました」と話す。序盤では、3秒以上のリードを保っていたが、ハンター・ローレンスとクリスチャン・クレイグにパスされてしまった。「改善点は、あります。具体的にいうと、シングルジャンプからのサンドセクションへの着地。それと、フープスの速度ですね。足首の痛みが邪魔して、そこまで思い切って飛びきれなかった。みんな遠くまで飛んでいましたね。コースは難しかったです。僕は、いままであそこまで大きなジャンプは経験したことがない。練習でも飛んだことがない大きさでしたけど、飛ばないとおいていかれてしまう。だから、飛ぶしかない」と下田。
「ハンターが来ているのは、見えていました。パスは免れないだろうな、と思っていましたけど、ブロックラインを使わずに、できるだけリードを拡げたいと思って走ってました。とにかく一番を維持したいと思っていて」下田は、ハンターにパスされたあと、クレイグにも先行を許してしまう。その上、転倒から追い上げてきたジェット・ローレンスにも後半に追い詰められることに。「2回チャンスがあって、なんとか食い下がろうとしたんですが、難しかったですね。おなじウエストを走っているクレイグだったら、もっと強引に守ったと思うんですが、ジェットはイーストを戦っているから、あまり執拗なのはダーティになっちゃうので」
シングルからのサンドへの着地、フープスのスピード。下田があげた課題であり、不調でペースをあげられなかった部分はわずかコンマ数秒の世界。調子がでない、そんな時であっても、シュートアウトの表彰台を狙えるベースで走っていける。プロサーキットのエースとは、そういうものなのだ。
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