誰もが認める世界一過酷なレース、ルーマニアクス
2021年にWESS(ワールドエンデューロスーパーシリーズ)からFIMハードエンデューロ世界選手権へと変革を遂げた世界のハードエンデューロ事情。そのどちらにも絶対に欠かすことのできないイベントとして存在するのが、ルーマニアクスというレースだ。日本では多くの日本人ライダーが挑戦していることもあり、「エルズベルグロデオが世界一過酷なレースだ」と思われがちだが、エルズベルグは世界一「難しい」レースという表現があてはまる。世界のトップライダーは口を揃えて「エルズベルグロデオはスプリントレースだ。ルーマニアクスこそが世界一過酷なレースだ」と言うのだ。
![画像1: Red Bull Romaniacs Official Photo www.redbullromaniacs.com](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2022/05/25/31ee64b45b0da168ca6eb9e9cc8b7fd578970853_xlarge.jpg)
Red Bull Romaniacs Official Photo
www.redbullromaniacs.comそんなルーマニアクスというレースをしっかりご存知の方は、どれくらいいるだろうか。恥ずかしながら僕もそんなに詳しくなく「街中にエグい人工セクションが作られ、そこを派手なアクションでクリアするレース」というYouTubeでチラッと見た程度の知識だった。しかし、少し調べてみると、それはプロローグと呼ばれるスタート順を決めるための予選に過ぎないことがわかった。
![画像2: Red Bull Romaniacs Official Photo www.redbullromaniacs.com](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2022/05/25/1084ef471162b25d5ad6708e8c1bb7a1152b6374_xlarge.jpg)
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www.redbullromaniacs.comプロローグが終わった後、決勝レースは4日間にわたって開催され、そのほぼ全てで10時間近く山中を走る事になる。その中にはエルズベルグロデオを何度も完走しているような世界のトップライダーでもバイクを降りて押し上げるしかないような、上の写真のようなセクションがたくさんあり、さらにはCGC奈良トラにある沼セクション「奈良漬け」のような湿地帯もあるという。
ただ1人、参戦経験のある日本人がいる
かつて日本人としてただ1人、このルーマニアクスに参戦経験を持つのは上海在住のエンデューロライダー、竹内郁馬氏。2018年にアイアンクラスに挑戦した竹内氏のリザルトが今でも公式ホームページに掲載されている。
![画像: ただ1人、参戦経験のある日本人がいる](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2022/05/26/893152cd3e8be765e5adbcbe3741c4f681b26bc4.png)
なんとリザルト上ではDay1に29時間走り続けたことになっている。実際にはこれは時間切れでDNFだったということだが、このリザルトを見るだけでその難易度は想像に難くない。国内外の様々なハードエンデューロレースを経験している竹内氏が、アイアンクラスでもこうなのだ。なお、この年のアイアンクラスは105台がエントリーしているが、Day1を完走できたのはそのうち5〜6台だけだったという。
今年3人の日本人が挑戦するブロンズクラスはアイアンクラスよりも上であり、さらにその上にシルバークラス、そして2人が挑戦する最高峰がゴールドクラスとなる。
Red Bull Romaniacs - The movie: 2021 - The Vertical Madness Reloaded edition by Quattro Media
youtu.beこちらが、公式ホームページで公開されている昨年の模様。こちらを見ていただければ、その想像を絶する過酷さが少しは伝わるだろう。動画によると5日間で走る距離は全部で数百kmに及び、その難易度は年々激しくなる傾向があるらしい。
![画像3: Red Bull Romaniacs Official Photo www.redbullromaniacs.com](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2022/05/25/4dc286656af5326a64538268cf786eedd5a19bef_xlarge.jpg)
Red Bull Romaniacs Official Photo
www.redbullromaniacs.com最高峰クラスに挑む20人の中に日本人2人
特にシルバークラスとゴールドクラスは難易度が一気に上がるらしい。「どれどれ…」と今年のエントリーリストを開いてみて、驚いた。
ゴールドクラスのエントリーリストはわずか20名のみ。マリオ・ロマンやタディ・ブラズシアク、ビリー・ボルトなど、名だたる世界のトップライダーたちの中に、全日本ハードエンデューロ選手権G-NETのトップランカー、山本礼人と佐々木文豊の名前が並んでいる。奇しくも同じ「アヤト」という名前の2人だ。
![画像: 山本礼人](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2022/05/25/84f41158c64edd78d0493d59bfe484b6e3d5a9fb_xlarge.jpg)
山本礼人
![画像: 佐々木文豊](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2022/05/25/2c07b70fc290a1354a22e91edd3c1152e62074c7_xlarge.jpg)
佐々木文豊
ゴールドクラスにエントリーしている20人のうち2人、1/10が日本人なのだ。もしかすると、世界のハードエンデューロファンからは「何も知らない日本人が間違えてゴールドにエントリーしやがった(笑)」みたいに思われているのかもしれない。
しかし、山本と佐々木はもちろん本気で完走を目指し、トレーニングを積んでいる。G-NET2022開幕戦・日野に勝利した山本の話によると「佐々木さんと一緒にハードなコースを1日40km走る練習をしています」とのこと。その証拠に山本はG-NETレースを4時間走った直後だというのに平気な顔で、息一つ乱れていなかった。
さらにブロンズクラスには岡庭大輔、奥卓也、横田悠の3人がエントリーしている。こちらもみな、日本国内で様々なハードエンデューロレースに出場経験を持つライダーだ。
Off1.jpではこの5人のルーマニアクスへの挑戦をしっかり記録に残すべく、編集部員であり、G-NETを追い続けている伊井が現地ルーマニアまで同行取材することを決定した。編集長・稲垣が取材するエルズベルグロデオと合わせて、ぜひ注目していただきたい。
山本礼人応援アパレル、受注生産にて追加注文受付中!
なお、山本礼人はこのチャレンジに際し、応援アパレルを制作・販売している。初回ロット分はすでに完売しているとのことだが、追加注文分も受注生産という形で対応可能とのこと。
![画像1: チームジャパン、ルーマニアクスへの挑戦vol.1「世界の狂ったヤツが集まるレースに5人の侍が切り込む」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2022/05/25/ce2e96299b03202018c04793ba3df53c2264c666.jpg)
Tシャツ
¥4,500(税込)
カラー:ブラック、ネイビー、グレー
サイズ:S、M、L、XL
![画像2: チームジャパン、ルーマニアクスへの挑戦vol.1「世界の狂ったヤツが集まるレースに5人の侍が切り込む」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2022/05/25/5d81e2b6e7043b78b0df8b99a3073001e1d5f695.jpg)
パーカー
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