たまたまこのレースでは、同世代のピアース・ブラウン、チェイス・セクストンがオープニングラップの転倒でやはり最後尾までおいやられてしまったのだが、セクストンの追い上げはベテランとルーキーの差を垣間見るものだった。急襲を受けた下田も「チャンピオン争いをしているチームメイトなのでラインを開けて、後ろからついていこうと思いましたが、速くてついていけませんでしたね。セクストンと、シェーン・マケラスの今シーズンは飛び抜けていて、スピードもフィジカルもずば抜けてると思います」と語る。

コンディションを整えることの難しさ

結果的に、8位というリザルトを残し、この逆境をうまく切り抜けられたと評価すべき下田。前述したとおりでコンディションは好調とは言えない。

画像: コンディションを整えることの難しさ

「次のRd.13まで、中3日。たぶん、1回はライディングできると思います。1回15分のヒートを走れたことで、今回よりもコンディションはしっかり上げていけると思う」と下田は言う。ほんの少しのボタンの掛け違いで、レースが難しくなってしまうが、Rd.13を迎えるにあたってはわりといい状況なんだろう。「まずは、ヒートレースをまとめることが大事ですね」と。

下田は「トレーニングもハードワークすぎず、コロナ後の状態としては悪くはないんですが、コンディションを整えること自体は難しいものだと感じています。音楽聴いたり、ウォームアップの仕方を変えたり、いろいろやってみてはいるんですけど、経験の差かな…来年になれば、レース前に100%までもってこれるようになると思うんです。いまは、その辺が、自信につながってこないんです」と。初年度のスーパークロスシーズンで、悩みは多い。トレーナーにも「順位を気にしすぎだ」と言われたという。

中3日で気分一新となるかどうか、相変わらず苦しいレースが続く。ランキングは現在6位だが、5位のR.Jハンプシャーがシーズンを離脱しているので、このままいけば目標は達成できる。とはいうものの、7ポイント後ろにジャレク・スウォルがいる。「ハスクバーナのスウォルにだけは、負けるわけにはいかない」と下田は強い口調で言う。

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