モトクロス大国であるアメリカ、そして世界グランプリを持つ欧州において、活躍できる日本人がいなくなって久しい年が続いた。興行的に最高峰のAMAスーパークロスでは、成田亮の3位表彰台を最後としていたが、2020年を境に時代は変わろうとしている。現18歳、AMAのプロクラスで活動する、下田丈の台頭だ。甘いマスクに、すらっとした長身、世界を狙えるポジションで戦う下田の2021年現在をまとめてみよう。
ポイント6「進化中の片足スタート」
2020年の課題であった、スタートは2021年の開幕で解消されたように見える。下田本人も、オフシーズンに入念な準備をしてきたという自負がある。
![画像: 開幕ヒート1、圧倒的な差でスタートを飛び出した下田](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2021/01/21/db2a3d9e12ac2e30e1a1b825f4dfd6a0f5d8b57e_xlarge.jpg)
開幕ヒート1、圧倒的な差でスタートを飛び出した下田
モトクロスのスタートは、正確にまっすぐバイクをたてなくては左右に振れてしまうから、両足を足台あるいは地面に置くのがスタンダードな手法である。だが下田が今トライしているのは、左足をステップにのせておいて、右足を地面につけておく方法。
「アメリカでは、片足スタートをする人は少ないです。左足をフットレストに乗せて、右足を地面につけておくことでシフトチェンジがしやすいのと、フットレストを後ろにプッシュしながらスタートできるのが利点です。僕にとっては、かなり調子がいいですね。クラッチのスムーズな操作も徹底的に一人で練習しました。
![画像: 片足スタート。見ての通り、メジャーな手法ではない](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2021/01/21/f82e85afbd46e28b59ac329300672a6f5a7f871f_xlarge.jpg)
片足スタート。見ての通り、メジャーな手法ではない
あと、1週間前にマカドゥとハンメーカーと練習したんですが、その時ビデオにとってもらって気付いたことがあるんです。スタートでて、マシンをまっすぐに立てられてて、それでもマシンがあまり前にでてなかったんですが、僕はゲートを越えたあとにアクセルがちゃんとあいてなかったんですよ。半分くらいしか開いてなかった。ロガーとかでは気付かなかった部分でした。最後の週はスタート練習ばっかりして、これを治すことで、またよくなりましたね。クラッチに集中しすぎてたんですね、今まで。
![画像: ポイント6「進化中の片足スタート」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2021/01/21/9b09cfa660f68aebfbf349ccc0e4c472d6a4247e_xlarge.jpg)
マシン的には、パワーがあるKXであることやウイリーしないこともメリットなんですが、スタート時に使うトラコンがあって、これもいい結果を出してくれました」とのこと。